コラム

Column
2026.05.07

【名は体を表す】

あれは私がまだ子供だった頃の事。

母が何かを買ってきた。小さな丸い缶に入った、白い粉。

首をかしげる私に母は教えてくれた。「これは歯磨き粉よ」と。

衝撃だった。そして理解した。

だから、歯磨き粉は『歯磨き“粉”』というのだ。

この白い粉こそが、歯磨き粉の本来の姿なのだ。

話は変わるが、最近興味深いことを知った。

電池とは、もともとは液体(食塩水)で作られたものであるらしい。

だから電池には“池”という水を表す漢字がつく。

そして液体を使わない電池には『“乾”電池』という名を付けたのだ。

下駄箱に下駄ではなく靴がしまわれるようになってずいぶん経つ。

筆箱に筆を入れる人もほとんどいないだろう(そもそも箱ですらないかもしれない)。

それでも名前を見れば、それらのかつての在り方を知ることができる。

言葉とはかくも面白いものか。

ちなみに粉タイプの歯磨き粉はとても使い辛かった。

廃れるのもさもありなんである。

前原店 原

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