平日の昼下がり、ドライブ中に娘が「トイレに行きたい」
と言い出したので、コンビニに立ち寄った。
私もちょうどタバコを切らしそうだったのでタバコを購入して、ついでにコーヒーでも買おうとレジに向かった。
最近では珍しくないが、店員の方が外国の方で新人のようであった。
異国に来てコンビニという多種多様な仕事をこなすなんて大変だろうなと思いつつ「56番2つ下さい。」と伝えた。しかし、無反応である。
いやいや、タバコの銘柄を言ったわけでもなく、56番って言ったのだから流石に分かってもらわないと困る。と少しの苛立ちを覚えながら待っていると、
ベテランの方が助けてくださり、何とかタバコは確保出来た。大丈夫かな?と思いつつ「あと、アイスカフェラテ2つください。」と言ったが、また無反応。
まだレジに立つの早いんじゃないですかね?と生意気な事を思っていたところ、その新人さんが口を開いた。
「エイゴデ、オネガイシマス」攻守交代である。英語?
パニックになりながら、頭の中をぐるぐると回転させる。
アイスは間違いないがカフェラテって何?英語じゃないの?発音?
もう開ける引き出しの無い私は堰を切ったようにこう告げた。
「アイスカフェラッツェ、ツー」無反応である。
ほんの数秒だろうが、とてつもなく長い時間に感じた。
地獄だ!誰か助けて!さっきは生意気な事を思ってごめんなさい!
色々な感情が溢れてきて涙目になっていたところ、またベテランの方が助けてくれて事なきを得た。
戻ってきた妻が「あ、コーヒー買ってくれたの?ありがとう。」などと呑気な感じで言ってきたので、
「カフェラッツェだ。地獄だったぞ。」と言ったが、「何言ってんの?」とあしらわれた。
いつもより少し苦いカフェラテを口にして、その店をあとにした。
岡垣店 井上